なぜ、「痛い」のに「痛い治療」が必要なの?
疑問に思うかたも多いと思います。
第1回はそのお話から。
ちょっと専門的な話になりますが、痛みには「速い痛み」と「遅い痛み」を感じる2種類の神経があります。
前者は、例えばナイフで切った時のような「鋭い、刺すような」痛みで、後者は「うずくような、重だるい」痛みが特徴です。
みなさんが普段、痛いと感じているのは「遅い痛み」のほうです。
そして、その痛みを抑えるために必要なのも「遅い痛み」なのです。ですから、当院での筋肉治療は「痛い」と思います。
でも、ただ痛いだけではいけません。
痛みの感じ方には個人差がありますが、「痛いけど気持ちがいい」がポイント。
押さえられて「重くかんじる」「他の部分にズーンとかんじる」そんなポイントに刺激が入ると、脳では認知覚が働き、「あ~、そこが悪かったんだな!」と痛みの原因とあんる場所を脳ははじめて認識できます。
こんな場所を「トリガーポイント(引き金点)」と呼びます。押さえると「ねむくなる、胃腸がグルグル動きだす」いわゆるリラックスした状態になるんです。
もうひとつ、この「遅い痛み」を治療として身体に与えると「脳内モルヒネ」が分泌されます。
これには、全身的な鎮痛効果があります。たとえば「足裏マッサージ」で他の部分の痛みやコリがましになるというのは、その効果です。
筋肉治療は痛いけど、ただ痛いだけじゃない。
それは身体の求めている「痛み」なのです。
その「痛み」は、からだの「免疫力」を高め、医学の求める「元気で長生き!」するためにとても重要な刺激になっています。